噛む・飲み込むがうまくできない方

噛んだり飲み込んだりがむずかしい

年を重ねるとともに体の筋肉が低下してきます。それと同じように、噛むこと、飲み込むことに必要な筋肉も低下してきます。
すると、食べ物を飲み込みやすい状態にできなかったり、口からのどへ食べ物を送れなかったりします。この状態を「摂食(せっしょく)・嚥下(えんげ)障害」といいます。
また、飲み込んでも気道と食道との切り替えがうまくいかず、むせたり、気管に食べ物が入る状態を「誤嚥(ごえん)」といいます。

 

摂食・嚥下障害になると・・・

食べ物を飲み込みやすい状態にできないということは噛む力も低下しています。肉類や魚介類は噛まないと飲み込めないものも多いため、食べられる食材が限られてしまい、良質なたんぱく質の不足が心配されます。
また、噛む力の低下によりあまり食べずに口を使わないと唾液の分泌量が減り、口の中が渇き、水分量の少ない食べ物は飲み込みにくくなります。
うまく食べたり飲んだりできないとエネルギーとたんぱく質が不足し体重が減ったり、低栄養や脱水を起こすこともあります。

気管に食べ物や飲み物が入ってしまうと誤嚥性肺炎になることもあります。

 

食べ物を工夫しよう!

食べ物をうまく飲み込むことができないと気になる方は、食べ物がスムーズにのどを通過するように、「上あごと舌でつぶせるくらいの硬さ」、「バラバラにならないようなある程度のまとまり具合」、「のどにへばりつかないでのどを通過するすべり具合」に工夫が必要です。

下ごしらえに工夫したり、柔らかくなるように調理したり、とろみをつけたりなどひと手間かけて飲み込みやすくする工夫が大切です。

【食べにくい食品(例)】

 ・繊維の多いもの     ごぼう、たけのこ など食パン
 ・弾力の強いもの     こんにゃく、いか など
 ・酸味の強いもの     酢の物、かんきつ類 など
 ・唾液を使うもの     パン、ゆで卵、ビスケット など酢の物
 ・ベタベタしたもの    餅、だんご など
 ・口の中にはりつくもの  のり、もなか、きなこ など
 ・ペラペラしたもの    わかめ、レタス など
 ・皮が口に残るもの    トマト、なす、豆 など
 ・まとまりにくいもの   ひき肉、ブロッコリー など

 

【調理のひと工夫】

 ・食材に隠し包丁を入れる隠し包丁
 ・飲み込みやすい一口大の大きさに切る
 ・肉はよくたたき、繊維を切る     
 ・やわらかく煮込む
 ・唾液を使うものは水分(牛乳・お茶など)に浸す牛肉
 ・トマトは湯むき、なすなどは皮をむく
 ・まとまりにくいものは、あんかけや卵とじなどにしてとろみをつける

 

お口の健康も大切

 よく噛んでおいしく食べるためには歯周病予防や入れ歯の手入れも大事です。
食後、就寝前の歯磨きや入れ歯の洗浄、定期的な歯科検診でお口の健康を保ちましょう。